所属山岳会で脚力向上を狙ったトレーニングのお誘いを呼びかけたら、おまけのひすい探しに釣られてSさんがきてくれた(2025年10月19日)。
往路の電車では「ひすい学習セット」を使って予習をした。

ひすいは、主にひすい輝石という鉱物からなる「ひすい輝石岩」のことだ。「きれいな石」ではない。そのことを理解してもらうため、ひすいの特徴と見分け方を練習した。
慣れないうちはひすい棒があった方が楽だろうと用意してきてもらった。

ストックに穴あきお玉をくくりつけた道具だ。ひすいを見つけるためには、とにかくたくさんの石を観察する必要があるのだが、しゃがむ動作はそのままスクワットだ。それはそれでトレーニングになるが今回は鍛える場所が違うのでパスし、道具に頼った。
場所は静岡の海岸。1週間前にきたときは、石はすっかり砂に埋まっていた。

台風の影響なのだろうが、こうなるとトレーニングの効果も石探しの成果も全く期待できない。時間が経てば小石浜に戻るはずだが、1週間でどこまで回復するか不安はあった。しかし、海岸に降り立つと波打ち際に石が戻り始めていて安心した。

ひすい探しはまず、たくさんの石の中からそれっぽいやつを見つける。次に拾い上げて砂を落とし、水気を拭き取る。それでようやく判断ができる。結構面倒な作業だ。

そもそも、それっぽい石をみつけるのが難しい。Sさんは大きい石ばかりに目がいってしまう。「大きい方が特徴がわかりやすいから。欲張りだからじゃない」と言い訳していた。う~ん、そうなのかなあ。

それなりに集まったところで比重を測った。

3以上あればひすいの可能性が高い。前半で11個中、9個が当たり。的中率は約82%と結構いい感じだ。
集中力が欠けてきた後半は見落としが増えてきた。それでもSさん、かなりの数を見つけられた。「大事なのはひすいを見分けられる力を身に付けること。石をたくさん持って帰ってもしょうがないよ」と忠告はしたが、ザックには2キロ近く入れていた。やっぱり欲には勝てないか。

海岸は結構傾斜があり、しっかり踏み込まないと進まない。自覚は少ないけど歩くだけでも相当消耗する。5時間弱でトレーニング終了。静岡土産の「のっぽパン」を買って帰った。

帰路のSさんは、「明後日、紅葉狩りに行くので体力を温存したい」と率先してエスカレーターやエレベーターに乗っていた。十分トレーニングになっていたようで、ちょっとうれしかった。
トレーニングの効果はともかく、Sさんのひすい鑑定能力の方はかなり向上したことは指摘しておこう。「ひすい鑑定士候補(仮称)」に認定したい。静岡まで遠征したかいはあった。学習セットが役に立ったのかな。
一言付け加えると、ここで採れるのは純粋なひすい輝石岩ではない。ひすいの鑑定で定評のある糸魚川のフォッサマグナミュージアムの学芸員さんが成分を分析したら「100%のヒスイではなくロディン岩が混じっていた」そうだ。だから、鑑定結果は「ヒスイを含む岩石」。したがって、糸魚川周辺で採れるひすいのような価値はない。たくさん持って帰っても御利益はないと、改めて強調しておく。