マダニ感染症体験記

投稿者: | 2024年7月16日

 2023年5月末にマダニに刺されて感染症になった。同感染症は最近急増しており、テレビなどでも取り上げられるようになった。それと分かるまでが大変だったので、経験を紹介する。

◆経過

 2023年5月26日、インストラクター認定会の下見で天覧山に入った。例年よりかなりヤブっぽかったのに対策しなかったら、左脇腹をマダニに刺されていた。入浴時に気付きピンセットで取る。マダニは既に潰れて死んでいた。これまで4回刺されているが何もなかったので気にもとめなかった。
 12日後、36.6〜36.7度の微熱が出る。頭が重く、全身倦怠感、たまに悪寒がするも無理して仕事をした。翌日も同様で仕事をしたが、夜に高熱(37.8度)が出た。コロナやインフルより重い症状でかなりモウロウとした状態になった。氷枕でなんとか落ち着く。
 翌日は多少熱が下がったので近くの病院を受診するが、コロナもインフルも陰性だった。解熱剤を飲んだら体調が回復したので午後から仕事にいった。
 翌日、頭が重い症状は改善されず、微熱も続いている。手足に虫に刺されたような赤い点々があるのに気づく。かゆみはない。これはマダニの感染症の可能性が高いと思い、近くの皮膚科を探す。近所に大学病院から派遣されている医師のいる医院を見つけたので2日後に受診した。
 これまでの経過をメモにして渡したら話が早かった。ここで初めて発疹が全身に出ていることが分かった。おそらくマダニによる感染症だろうという診断だった。医師は「写真撮っていいですか?」と聞いて、背中、胸、腕をアイパッドで撮影していた。結構、きれいに撮れていて感心した。検査のため採血をし、抗菌薬(ミノサイクリン塩酸塩100「サワイ」)を処方され飲んだ。以降、発疹は1週間で消え、頭痛もなくなった。微熱は残るも普通に仕事ができるようになった。
 検査結果は肝機能の低下とCRP定量の異常値が出た。医師から「マダニ咬傷による感染症ですね。肝機能がかなりやられてます。重症です」と言われた。自覚はなかったけどかなりやばかったということ。
 7月はじめの検査で正常値に戻った。「日本紅斑熱」と診断され、完治を告げられた。発症から1カ月かかった。

マダニ
マダニ

◆補足説明

 日本紅斑熱は最もポピュラーなマダニ媒介の感染症。リケッチアという病原体によるもので潜伏期間が2〜8日。症状は、刺し口、高熱、発疹の三つが特徴で頭痛や倦怠感を伴うことが多い。死亡例もあるが、抗菌薬が効くので適切に治療すれば後遺症もなく治るとされている。
 ただし、マダニが媒介する感染症は他にもある。その種類と地域によって感染症も違ってくる。平地のマダニは日本紅斑熱が多いが、高い山や北海道はライム病が多い。ライム病は神経症などの後遺症が出ることがあるし、「重症熱性血小板減少症候群」など適切な治療薬がない感染症もあるので警戒は必要。

◆対策

 一番は刺されないこと。草っぱらや藪っぽい場所が危ない。今回は油断した。入る時は短時間でも対策を取ることだ。
 二番目は刺されてないかチェックすること。マダニは腹や太ももなど体の柔らかい部分に食いついていることが多い。刺されても痛くもかゆくもない。山に行った後は全身をよく見る。風呂に入ったくらいでは死なずに食いついている。
 もし見つけた場合、できるなら取った方が良いと思う。早めに除去した方が取りやすいし感染症の心配も少ない。ただし、潰すとマダニの体液が皮膚内に侵入しやすくなるので注意が必要。今回はこれが原因だと思う。無理そうなら皮膚科へGO!
 除去する器具は、自分はティックツイスターを使っている。BMC(英国登山評議会)のサイトにあった動画で知った。小さな釘抜きのようなもので、刺し口に引っ掛けてクルクル回すだけで取れる。取ったマダニは捨てずに保管しておくこと。発症した場合、病気を特定する試料になる。

ピンセット(右)とティックツイスター
ティックツイスター(左・中央)とピンセット

 全てのマダニが感染症の病原体を持っているわけではない。マダニに刺されても発症しない確率の方が高い。ただし、発症した時、マダニに刺された自覚がないと適切な治療ができずに重症化する恐れがある。これが一番まずい。不安がある場合は、発症しなくてもマダニを持って皮膚科を受診するのがよいだろう。

◆参考になるサイト

皮膚科Q&A 虫(マダニ類)による予期せぬ感染症
厚生労働省 ダニ媒介感染症

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