9月初旬の富士山須走口。例年ならハナイグチ全盛期なのにキノコがほとんど採れなかった。発生がかなり遅れているようだ。

前回考えなしで採りまくったあげく食い切れなかったので、今回は観察メインで採集は最小限にしようと心に誓っていた。なのでよく見かけたタマゴタケとウラグロニガイグチはスルー。ショウゲンジ、アケボノアワタケ、ハナイグチを1~2本確保した。



ちょっと物足りないと思っていたところで紫色のキノコが目に入った。ムラサキシメジと思い喜んで採った。しかし、ムラサキシメジにしては時期が早すぎる。隣の幼菌は傘の裏側が菌糸で覆われていた。フウセンタケじゃん。

紫色のフウセンタケって食って大丈夫なやつだったっけ。食えたような気がするが自信はない。ま、後で調べりゃいいか。多少疑問があったがカゴに入れた。(←これだめなやつ)
実は図鑑は持っていた。いつでも出せるようにサコッシュに入れてあった。なのに現場で確認せずにバスに乗ってから図鑑を見た。当然、生えている場所や近くにあった樹種などはよく覚えていない。やはりというか当然というか、調べてもよくわからなかった。とりあえず、アヤシフウセンタケとしておこう。
帰宅したら早めに調理する必要がある。時間に追われながら調べ直した。傘にぬめりのない紫色のフウセンタケは絞られるが、どれも特徴が合わない。現物をもう一度よく観察したら傘の上部が茶色になっていた。ネットで調べるとモリノフジイロタケっぽい。それなら食えそうだ。万一間違っていても猛毒種には当てはまらなさそうだ。勝負してみることにした。
煮物は面倒なのでホイル焼きにした。収穫したすべてのキノコをアルミホイルに包んでオープントースターに突っ込んだ。ハナイグチを焼くのは初めてだが結構うまい。さすがだ。ショウゲンジもいい味が出ていた。アケボノアワタケはイグチらしいうまみがあった。アヤシフウセンタケはおなかが痛くなったりしなかったのでセーフ。ただ、味はこれといった特徴がなくイマイチだった。

同定を確実にするためリスクを冒して怪しいキノコを食うことは科学的な探求のために必要だと信じている。体で覚えていく経験も認識を深める上で大事だ。ただし、今回は現場での確認作業をおろそかにしたためリスクを増やす結果になったのはダメダメだった。図鑑は現場で活用してこそ意味がある。
それに、不安なままだとキノコの味はよくわからない。おいしくいただくなら、しっかり同定できたものに限るべきだろう。