今年(2024年)は暑かったこともあり、キノコの発生が大幅に遅れた。結局10月下旬までキノコ観察に費やしてしまい、クライミングに割く時間が乏しくなってしまった。
キノコは久々に豊作だった。マツタケをはじめ多くの種類を見ることができた。一部で根強い人気のあるハナイグチ、チチタケ、ナラタケ、アカモミタケもたくさん採れた。
そこで、「おいしいキノコ」について考えてみた。それらに共通するのは以下の3点だ。
- 特徴が明確で、似た毒キノコがない
- まとまって出ていて、たくさん採れる
- 下ごしらえや調理方法が確立している
理由を説明する。
1 毒キノコと間違えないよう、見分けがつきやすいことが第1条件。
ハナイグチは、▽カラマツ林に出る▽傘は濃いめの茶色で粘りがある▽ひだの代わりに管孔があり、黄色▽柄にツバがあり上部は黄色

ナラタケは、▽枯れ木や立木の根元に群生▽傘は白~蜜色で中央に鱗片が密集▽はっきりとしたツバがある

チチタケは、▽生長すると傘の中央がくぼむ▽傘は黄褐色~赤褐色で表面がビロード状▽傷つけると白い乳液が出る

アカモミタケは、▽モミの木の近くに出る▽傘の中央がくぼむ▽傘は鮮やかなオレンジ色で同心円状の模様がある▽傷つけるとオレンジ色の乳液が出る

2 いずれも決まった時期に同じ場所で採れ、群生していることが多い。一定の収穫が見込めることが食材としては重要なポイントになる。
3 ハナイグチの定番は味噌汁の実。大量に採れたら多少保存が効く麺つゆ漬け。長野県でジコボウ、北海道ではラクヨウと呼ばれ人気がある。
よいだしが出るナラタケは煮物や炒め物。うま味とともにシャキシャキした食感を生かした料理がよい。
独特のだしが出るチチタケはうどんに入れるのが一般的。栃木県民が熱愛する郷土料理、チタケうどんが有名だ。
ベニタケ科のアカモミタケはボソボソした食感だけど、煮込んだり油で炒めたりするとボリューム感が出る。クリーム煮やパスタが定番。
味(香りや食感も含めて)だけならもっとおいしいキノコはある。大型イグチのヤマドリ系やシイタケはその代表格だ。残念ながら、それらは簡単には見つからないし、正確な同定も簡単ではない。シイタケは最初に千葉の山で野生(野良かも)の物を見つけた時は、口に入れるまで4日間悩んだ。よく知っているつもりのキノコでも、ちゃんと識別するためには相当の知識が必要なのだ。